太田哲三さんの器は日々の暮らしにぴったりと寄り添う、どこか優しい温かい印象の器が多いです。
職人としての繰り返し繰り返しの仕事の中で、『用途に忠実で使いよいものを心掛け、特別な技法や思いつき的な形・偶然な出来上がりを求めるのを避け、あくまでも伝来の熟達した技術を練ること』を肝に銘じて作品作りに取り組んでいらっしゃる作家さんです。
かつての生活様式と異なる現代の暮らしの中で、平常無事で誰もが安心して使え、しかも喜んでいただける誠実な仕事をめざし、小石原のしっかりした伝統を再び回復して日常雑器にその「命」を見いだしたいと思うのです。(太田 哲三)